SPECとは?


SPECとは、Sports Performance Characteristic(=スポーツ動作特性)の略であり、分子や細胞の持つ固有振動数に着目したボディーワークです。

スポーツに必要な筋肉、骨、神経、内臓などは分子や細胞の集合体です。それらには本来の機能が発揮しやすい固有の振動数があります。

動きによって起こる情報の変化は、分子や細胞の振動数に影響を与え、筋肉や骨などの組織が本来持つ機能を発揮しやすい状態にしたり、逆に発揮しにくい状態にしたりします。

SPECでは、組織の機能が発揮しやすくなる動きを「合う動き」、反対に機能が阻害される動きを「合わない動き」としています。

そして、どういった動きに対して機能が高まるのかという身体の性質を「動作特性(performance characteristic)」としています。

 

 

 

全身から「原因」を見つける


骨や皮膚、筋肉や筋膜などの組織は、動きによって圧縮されたり、ねじれたり、引っ張られたりすると電子が放出され、微弱な電流が発生することが分かっています。

この電子の流れや電位の変化は、分子や細胞の振動数に影響を与え、骨や筋肉をはじめとする組織の機能を高めたり低下させたりします。

組織の機能の低下は、硬さや重さ、筋出力の低下だけでなく、構造上の弱さを生むため、疲労骨折や肉離れ、靭帯損傷といった障害ににつながりやすくなります。

 

ヒトの身体の細胞は、細胞外基質というタンパク質の繊維でつながっていて、一つの部位で起こった動きの変化を全身の隅々にまで伝える働きをしています。

動きの変化に伴う、電子の流れや電位の変化は、これらの繊維を通して情報としてすみやかに頭からつま先にまで伝えられます。

そのため、ある一つのところで起きている組織の機能低下の原因が、一見すると離れたところに存在するということがあるのです。

 

SPECでは、機能低下を起こしている部位だけでなく、そうなってしまう原因を全身の中から見つけていきます。

そして、その人の身体に合った使い方となるようデザインしていきます。

 

 

 

「動作特性」=「くせ」?


「動作特性」とは、どういった動きの情報に対して好反応を示すかといった分子や細胞の持つ振動体として性質を指しており、本来その人が持つ固有の振動数に由来します。

一方、「くせ」とは生活歴や競技歴などによって習慣化された動作パターンのことを指します。

つまり、くせは時間経過の中で獲得された後天的要素であり、習慣の変化によってそのパターンは変容していきます。

それに対し、動作特性は「分子や細胞が本来持つ固有の振動数」に由来する身体の性質ですので、生後間もない赤ちゃんから判定可能であり、加齢や外的要因によって変化するということはありません。

したがって、「やりやすい」はくせに由来するところが大きく、必ずしも「合う使い方」であるとは限らないのです。

また、自律神経のバランスとも「合う使い方」は相関がみられませんでした。

「自律神経のバランスの良くなる動き」は、「今、やりやすい動き」、つまり「くせ」であって、これもまた、その人の機能が高まる「合う動き」であるとは限りません。

ですが、「合う動き」=「自律神経のバランスが良くなる動き」になることが理想であると考えられます。

 

 

1/400億をデザインする


現在、SPECでは、計算上400億通り以上の使い方の中からその人に合ったデザインを見つけていきます。

膨大な数ですが、無限なのではなく「有限」なのです。

 

環境特性は、動きを「環境の中におけるエネルギーの変化」とした時の全体的な傾向であり、基本的なルールになります。

自然現象でいえば、「水は低いところに向かって流れる」「温められた空気や水は上に上がる」などに相当します。

例えば、川の流れはランダムに変化しています。

右に行ったり左に行ったり、下に行ったり上に行ったり、渦を巻いたり飛び跳ねたり・・・しかし、低いところに向かって流れるといった傾向が変わるということは決してありません。

ヒトの動きも同様で、当然、スポーツにおいては状況に応じていろいろな動きをしなくてはなりません。

しかし、どんな状況においても「傾向」という基本的なルールが変わらないということが、使い方の上でとても大切な要素となります。

 

個人特性は、文字通り個人の肉体における特性です。

これは、様々な変化を作り出すために、どこを安定としてどこを起点としたらいいのかなどの動きを作る上での肉体のルールになります。

動きという流れをスムーズにし、かつ身体機能が高まる使い方になるために、どこの部位をどの筋肉でどの方向に動かしたらよいのかを見つけていきます。

 

環境特性は奥に潜む「変化してはいけないルール」であり、個人特性は表現として目に見える「変化させるためのルール」ということが言えます。

目に見える特性と目に見えない特性、両方を加味しながらその人の持つ動作特性を判定し、400億通り以上の中から「合う使い方」をデザインしていく、それがSPECです。

 

 

「合う使い方」は「答え」ではない


SPECが目指すのは、身体がもつ動作特性に合った「使い方」を獲得していくことです。

一見すると、悩まずに進めるための「答え」をお伝えしているように感じますが、逆であると考えています。

身体に合う使い方を獲得していくということは、ちゃんと悩んだり試行錯誤したりできるための「自己」を獲得していく作業なのです。

質の向上や技の獲得といったパフォーマンスを高めていく過程で、「どうやったらうまくいくのか」という試行錯誤は絶対的に必要です。

悩まずにまっすぐ進めたほうがいいように感じますが、失敗を繰り返しながら悩むことで、動きの理解が深まり、応用の幅がひろがっていきます。

そこで大事なのが、悩むことで前に進めなければいけません。

そのためには、試行の結果が自分にとってどうなのかという差異を感じられること、そしてその結果を前に進むための情報として変換できることといった要素が必要となります。

しかし、その大前提には「どの方向に進んだらいいのかを感じれている」という要素があるのです。

SPECはこの「どの方向なのか」をお伝えしています。

迷路の出方という「答え」を教えるのではなく、「あっちの方向にゴールがあるよ」という傾向をお伝えしているということです。

自分が進むべき方向性が感じれるからこそ、ちゃんと悩めたりいろいろ試行してみたりと自発的に広がっていけるのです。

そして、その試行錯誤が「自分」というものの理解を深め、スポーツ以外の場面も含めた人生を豊かにしてくれる「糧」になると考えています。